拙ブログ移転のお知らせ

本日2011年12月9日から、このブログは文字る(文字情報。時折印刷・文字本・雑誌の紹介も)および活字の小箱(活字・活版印刷に関する情報(組織・個人・作品・イベント・ワークショップなど)の提供)へ移転しました。引続き新しい方もご贔屓に。ここはそのまま残しておきます。

「21世紀のクリスマスカード」をVandercookで製作してトニカク文字イリ展で販売

あと1週間に迫ってきたJ-LAF主催「〜トニカク文字イリ〜 Christmas+Christmas展 in 関西」、前回に引き続き出品するが、その出品作品を先週自ら活版印刷を、但し今回は手フートでもプラテンでも無く、なに活さんに新しく加わったVandercook SP-15時間貸ししていただいて刷ってきたのである(記念すべき時間貸し第1号!)。
 
これが遠くUSAより1ヶ月かけて渡航してきたVandercook SP15。見て分かる方は分かるが、本来は手動式活版校正機だけど、小ロットでの印刷用としてかの国では人気の機種。LetterMpress™ for iPadで登場するマシン。見た目はゴツいが、手順さえ教われば誰にでも簡単に印刷が出来るスゴいヤツなのだ。それ故、引く手数多で中々手に入らない憎いヤツでもある。


で、このマシンを使って、活版印刷では余りしない多色刷り、それも薄赤・赤・墨の3色+メジウムの計4版(!)で、B4のクッション紙0.5に印刷してみた。
まずは1版目の薄赤版の樹脂版を、余分な部分を大胆に切り落としてVandercookに設置してあるベースに両面テープでしっかりと固定する。

えらいえげつない形になった樹脂版だけど、印刷には問題ない、むしろ余計な箇所にインキが付かない分ベター。

インキをローラーに付けて馴染ませる。


さてこのとき時間は13時を回っていた。開始時間は朝10時。1版目というのにここまでで3時間かかっている。まるで時間泥棒にあったような感覚に襲われる。何故こんなに時間が経過してしまったのか。それはね、1版目の薄赤色を調合するのにスンゴイ悪戦苦闘したわけなんだね。PANTONEで色指定もインキも揃えて、PANTONEの色チップの配合表で調合したんだけど全く合わなくて。最後の最後に一からなに活さんが調合し直してやっとこさ完了。こんな感じなのであった。


気を取り直して、1版目の印刷開始!
インキを樹脂版に馴染ませて、用紙をクワエにセットして、試し刷り。その後インキの濃度調整と位置合わせとをして、本刷りスタート!
手動でシリンダー+インキローラー部分を回すんだけど、あんまり力は入らない。簡単に楽しく印刷出来ちゃうのだ!

こんな感じ。印圧かかってるの見える?


そうそう、このVandercook、印刷位置の調整が他の活版機に比べて簡単で、版の位置を予め決めたら後はこちらは触らずに、用紙のクワエ位置を左右および斜め調整するだけで合ってしまう素晴しいヤツでもある(上下位置変更の場合は版自体を上下移動しなくちゃいけないが、これは版を貼る時点で決めるので後から変更することはまずない)。


引続き2版目、赤色版の印刷へ。
ここから、版の位置合わせはシビアに行っていく。が、上記したように版さえ予めキチンと位置合わせすれば、簡単に微調整出来るのでここでビビる必要はない。
 
 
ということで2版目刷り上がり。版があまりズレていないことわかるかな?(下のデータ上でのC・Dを参照。書体はPirouette―Designed by Ryuichi Tateno


こんな感じで3版目の墨と4版目のメジウムを引続き刷っていく。

空押しのようになっているのがメジウムで刷った部分。印圧がかかってイイ感じに。


結局朝10時から始めて、最初の3時間は難儀したけども、80枚を4版の計320通して19時に完了!ほぼず〜っと立ち仕事になるので足と腰が痛い。した甲斐あって結構良いものが仕上がったと自己満足。なに活さんありがとうございました。

仕上りはこんな感じに。



さて、今回刷ったこのB4大のカードというかポスターというか、一体ナニモノであるのか。一見したところカレンダーのような体裁のコイツ、実は今年の12月25日は何曜日?かが分かる「21世紀の12月25日」カレンダーなんである。


ん?!意味分からん?


まあいきなり云われてもねえw。
つまりは、墨の数字である2001年から2100年までのクリスマスは何曜日かをカレンダーの体裁をモチーフにしてみたのである。


分かってもらえたかいな?
わからなかったら実物見に「〜トニカク文字イリ〜 Christmas+Christmas展 in 関西」に来てね。

TRUNK DESIGN主催活版印刷ワークショップに神戸へ行ってきた

11/13日曜の昼、ぼぉ〜っとつぶやきのTLを眺めていたところ、「活版印刷ワークショップ開催」の文字列が目に飛び込んできた。ある方からがリツイートされたもので、神戸で11/14月曜日分参加者募集中というキンキンな日程だけども、11/11金曜日の活版印刷所見学でやっぱ植字したいなと強く思っていたところだったので、「これは呼んでいる!」と思いすぐさま応募。募集に間に合ったので昨日行って参ってきた。



開催場所は、神戸元町、というより南京町か、その近所にあるRAI CAFE*1、今回が初めての「出張」開催ということだった(通常はTRUNK DESIGNの事務所内でされているとのこと)。RAI CAFEは、楽しそうなお店が入っている昭和初期のモダニズム建築である「栄町ビルディング」の2階にあり、落ち着いた雰囲気を醸し出したカフェ。


このような雰囲気の中、ワークショップは始まった。今回の参加者は3名+特別参加でRAI CAFEのマスター。男女比1:2(マスター除く)。相変わらず活版女子率高し!
名刺サイズより天地が狭い用紙に刷るのだが、まずは各自レイアウトなどを決めていき、決まったところで文選・植字作業に入っていく。

4号、5号、6号の英数字活字たち



文選から植字へ。この手はスタッフさん(自分自身が作業しているところは撮れないからね)。



植字完了、組版完成!…………と云いたいところだが、実はこれ左右逆に組んでしまって印刷したら右横書きだったorz この後ちびちび直しましたとさ。


  
気を取り直して、チェース組版をセット。この手もスタッフさん。


 
チェース組版をセットし終えたら、遂に印刷へ。このワークショップで活躍するのはADANA!この大きさのモノは初見なり。



このようなイイ雰囲気の中での印刷作業。こちらはRAI CAFEのマスターがされているところ。



これが完成図。初めてにも関わらずいきなり左右センター合わせの組版をしたけど、初めてにしてはよく出来た、ほう、なのか?


というわけで、チャイとケーキをいただきながら終始穏やかにまったりとした雰囲気の中での活版ワークショップであった。


ところで、活字組版を初めて体験してみて思ったことは、「これはパズルだ!」ということと「込物が肝だ!」ということ。こんなこと云うと職人さんにドヤされるのは必死なのだけれど、素人がやる分にはこのような感覚でやってみてもいいんぢゃないかなと思う。難しそうで敷居が高そうなイメージがあるけれど、イザやってみると、ああでもないこうでもない云いながら意外に組めてしまうもの(あくまで素人レベルとしてだけど)。色んな大きさの込物を駆使してココは4分アキじゃ隙間が埋まらないから3分アキ入れようとか試行錯誤しながら楽しく出来る(職人さんは頭の中で計算して必要な込物を入れ込むと思うが)。適当な活字と、それと同じ号数かポイントのちゃんと一揃いある込物があれば取り敢えず組める。ということで活字と込物欲しくなってきたぞ。

*1:実は2週間前にEwanのワークショップ後南京町に来た時止めた駐車場の極近所だったので、違う意味で驚いたのはヒミツ。

『小林章氏WS「自分の書体をフォント化しよう!」in 大阪』に参加してきた I attended Akira Kobayashi's WS “Let's make a font from own handwriting scripts!” in Osaka

このところ毎週のように、関西でも文字関連の催しがあって大忙し、でも有難い限りな今日この頃、今度は小林章さんのWSに行ってきた。ワタクシは昨年の東京でのWSに引続き2回目、とはいえすっかりソフトの操作などは忘却の彼方、皆さんと共に一から始めることと相成る。今回も使用ソフトはFontLabのScanFontとTypeTool。
In recent weeks, I've been busy attending events and workshops on the letter. This time, I've attended Akira Kobayashi's WS held in Osaka. I went to his WS in tokyo last year, but operating the softwares “ScanFont” and “TypeTool” slipped my mind.

下準備 Preparation

今回は、このブログでも晒している書き文字(1415年の聖書で書かれたBastardaが元)をFont化してみようと、下準備の文字起こしから始める。大文字は一切練習さえしていないので今は小文字のみにする。で、文字の特性上合字が多いのでそれも予め書き起こすことにする(後で、何組か足りなくてデータから強引に合字を作ったのはヒミツ)。
For this WS, I intend to make a font from my own handwriting script “Bastarda” that is based on the Bible of 1415 England written by Middle English. I don't practice the majuscule, so I just write the minuscule only. It has a feature of the need for ligatures, I also write them.

A4大の紙に3枚程、必要となる文字を書き連ね、その中から良いと思う文字を選択(文字の上下に鉛筆で小さい丸を付けた)。
I write letters on three sheets of paper (each A4 size: 210×297 mm) and pick the best ones of those.



文字を書いた紙を複写して、選択した文字を切り抜き、台紙に貼付ける。
Duplicating three sheets of paper on a copy machine, cutting out the selected letters, pasting them on a paper



文字を貼付け終わったら、スキャナで画像データ化。
Scanning in and imaging the paper


以上、ここまでが自宅で事前に準備しておくこと。
This is the preparation at home by the WS.

WS開始


今回は、とある縁でデザイン専門学校をお借りしてのWS。
A design college that the WS was held in



WS開始直前の準備風景。
Preparation just before the WS



WS開始。参加者皆さんの自己紹介タイム。その後直ぐさま文字読み込み作業に入る。
Self-introductions in the beginning of the WS. Then Doing a work of loading the image of the letters.


  
ソフトウェア「ScanFont」に画像化した文字を読み込ませ、各文字のアウトラインを取っているところ。右は左のキャプチャ画像。この段階でアウトラインが上手く行ってないところを修正し、また余分なものを削除したりしてアウトラインデータを完成させる。そしてこれを画像右下に出ているウインドウの一番右ボタン「Export」を押して、ソフトウェア「TypeTool」に文字のデータを読み込ませる。
Loading the image of the letters in “ScanFont”, and outlining each letter. The right photo is the image capture of the screen of the left photo. At this time, you correct, clean and complete the outlines of the letters. And then you load them in “TypeTool”.


  
「TypeTool」に文字が読み込まれた直後。右は左のキャプチャ画像。
Complete loading the letters in “TypeTool”. The right photo is the image capture of the screen of the left photo.



適切な場所に入らなかった文字や元々場所のない合字を適当な場所に配置し直す作業。
Rearranging letters and ligatures in place



配置し終わったら、サンプル文字を適当に打ち、画面を見ながら各文字幅(Metrics)を設定して適切な文字間を設定する。文字幅(Metrics)だけで対処出来ない場合はカーニングを設定して調整していく。この作業が実は一番時間が必要で、かつ一番大変。そして、文字の形の美しさは勿論のこと、文字幅・カーニング調整がフォント制作の一番の肝である。なので、このWSでも一番時間を割いた作業であった。
After rearranging, you type a text, adjust “Metrics” and fix up the proper character space. Additionally, as necessary, you can set the kerning pair. It is most important for and put in a lot of time on making a font.


先に云った通り、文字幅・カーニング調整している段階でどうしても文字の繋がりが変になる組合せが出てきたので、この時に併せて追加合字を作ることになった(上記画像の「form is empty」のうちの「rm」と「ty」がそれ)。
When I adjusted “Metrics” and the kerning, certain pairs of letters were the “poor connection”, and I additionally ligated the pairs. (e.g. “rm” and “ty” of “form is empty” above)


以上、そんなんこんなんで時間が来てしまい、調整など未完成なまま取り敢えずフォント化してWSは終了。皆々様お疲れさまでした&ありがとうございました。
Thus, as coming closing time, I made my font in the rough and the WS ended.

帰宅後

怒濤のような3週間が過ぎ、別の作品制作も終了してほっと一息、バタンキューと寝落ち。
本日程よく目覚め、落ち着いたところでフォントになった自分の文字を自分のMacにインストール! そしてテキストエディタで打ち出してみた。
The next day, I installed my font in my Mac, and typed a text with a text editor in my font.

こんな感じ。いかが?
How's that look?


次は大文字と約物練習しなければ。
The next time, I'm going to practice the majuscule, the numeral and the punctuation mark.

KCF主催ワークショップ「Ewan Claytonローマン体活字の発展 カリグラフィーからドローイング」に参加してきた

10月29日〜31日の3日間、神戸・カリグラフィー・フォーラム主催ワークショップ「Ewan Clayton(ユーアン・クレイトン)ローマン体活字の発展 カリグラフィーからドローイング」に参加。他にカリグラファーやデザイナー、そして書体デザイナーの面々も参加した良いWSだった。3日間で2000年を俯瞰し、そしてそこから手を動かして書体の形を見ていくという濃い内容。以下3日間の内容をかいつまんで報告するとともに、内容に関する参考文献などを紹介する。

Ewan Clayton(ユーアン・クレイトン)氏



2日目のみ違う部屋。

自己紹介

・参加者各自の簡単な自己紹介。しかし、初日終了後の懇親会で面々の意外な経歴を知って吃驚。人に歴史有り。

ラテン文字成立までの歴史

色々な説や呼称があったりしてややこしいが、一般的なものとしては以下の通り。
ヒエログリフ(Egyptian hieroglyphs)
  ┃
原シナイ文字(Proto-Sinaitic script)/ワディ・エル・ホル文字(Wadi el-Hol script)
  ┃
フェニキア文字(Phoenician alphabet)
  ┃
ギリシア文字(Greek alphabet)*1
  ┃
エトルリア文字(Etruscan alphabet)
  ┃
ラテン文字(Latin alphabet)

手書き書体/小文字発生の歴史

ギリシア文字(Greek alphabet)
  ┃
Roman Monoline Capitals
  ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
Rustic Capitals           Roman Square Capitals/Roman Imperial Capitals
  ┃
Old Roman Cursive
  ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
New Roman Cursive         Uncials
  ┃
Roman Half Uncials
  ┃
Carolingian Minuscule
  ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
Italian Carolingian Minuscule    Protogothic
  ┃                 ┃
Humanistic Minuscule        Gothic
  ┣━━━━━━━━━━┓      ┃
  ┃          ┃   Gothic Cursive
  ┃          ┗━━━━━━┫
  ┃                Italic
  ┃
Roman Lowercase Type    


例として、R, D, E, A, B, Hからr, d, e, a(一階建て single-storey), b, hが発生する過程を見せてもらう。驚きはB→b。途中まではdのような形状になるが、筆順が変わることで形状も変化して最終的にbになるのが興味深い。

活字書体の歴史と、その時代の代表的な活字書体をトレースし自分ながらの形に整える作業

概要と重要人物について解説。

  • グーテンベルクの聖書の書体はBlackletterで、活字は400字母あった(幅違いなど沢山の種類を用意して、手書きの雰囲気を活字でも出したかったらしい)
  • 最初のローマン体活字―ニコラ・ジェンソン―この書体から数文字をトレーシングペーパーで模写し、自分なりに形を整える作業をする。そしてこの整えた文字を元に、時代別の代表である以下の書体の特徴を踏まえて文字を作る作業。
  • ジョン・バスカヴィル(John Baskerville)
  • ディドーとボドニ(Didot & Bodoni)
  • ファット・フェイス(Fat Face)
  • エジプシャン(Egyptian)や、Robert Besleyの書体―コントラストの余り無い、黒々とした書体

質問コーナー

自分が質問したのは以下の3つ。

  • 二階建てa, gと一階建てa, gの成立の経緯
  • K, Rのleg(tail)にセリフが付いたり付かなかったりする理由―これは答え出ず
  • long sの成立の経緯―2つの説がある

カリグラフィーペン・平筆で字を書いてみる

今回は体験として。

セリフの起源

以上の内容を元に、最終的に、自分の書体を何文字かでつくる

自分は、その時代の代表的な活字書体をトレースしたものを元に、ウェイト(Weight)ではなくコントラスト(Contrast)の差―太画と細画の差―を同一書体のファミリーとして展開出来るかを試みた。
オーソドックスなローマン体形状を元に、骨格とステム(Stem)の太さを変えずセリフ(Serif)とテーパー(Taper)の太さを順次変えて4つのコントラスト―「エジプシャン・クラレンドンスタイル」、「ジェンソンスタイル(オーソドックス)」、「バスカヴィルスタイル」、「ボドニスタイル」を制作。

小文字nで4種類制作。小文字aは2種類のみで時間が来てしまった…。左から順に、「エジプシャン・クラレンドンスタイル」、「ジェンソンスタイル(オーソドックス)」、「バスカヴィルスタイル」、「ボドニスタイル」


結局時間が来てしまい、遅筆かつ細かいことに腐心してたワタクシは上記の通りnとaしか書けず。もっと他の文字で様子を見てみたかったがまあ仕様がない。また今回のWSは具沢山過ぎてメモに取り切れなかった。故に今回のレポートはごらんの通り。


文字の形を追いつつ文字の輪郭を3日間書き続けるという経験も中々無いこと。色々な経験が出来た3日間だった。満腹です。

【補足】線のタッチについて

上記写真で、文字の形は線の微妙で微細な位置取りで全体の雰囲気が変わってしまう(それこそ「毛一本分の差」で)ことを2年前のWS(ゴードン恵美 ワークショップ「レターカッティング入門」)で経験し、鉛筆の線の太さ分でさえ文字の形が違ってしまうため、出来る限り書く線は細くして書いた。これにより文字の形をより微細なところまで把握可能となる。芯は尖らせて、紙を撫でるように書いていく。

参考図書

以下に紹介する書籍は、比較的一般的なものに限定している。

資料として配られたものから

Reed, Pen and Brush Alphabets for Writing and Lettering

Reed, Pen and Brush Alphabets for Writing and Lettering

Roman Capitalsの平筆に関する資料として提供されたもの。
Bodoni: Manual of Typography

Bodoni: Manual of Typography

Bodoniの書体見本として提供されたもの。

当日置かれていたもの

Origin of the Serif

Origin of the Serif

西洋書体の歴史―古典時代からルネサンスへ

西洋書体の歴史―古典時代からルネサンスへ

Historical Scripts: From Classical Times to the Renaissance

Historical Scripts: From Classical Times to the Renaissance

文字の歴史

文字の歴史 (「知の再発見」双書)

文字の歴史 (「知の再発見」双書)

文字の歴史―ヒエログリフから未来の「世界文字」まで

文字の歴史―ヒエログリフから未来の「世界文字」まで

図説 文字の起源と歴史―ヒエログリフ、アルファベット、漢字

図説 文字の起源と歴史―ヒエログリフ、アルファベット、漢字

世界の文字の図典 普及版

世界の文字の図典 普及版

文字の世界史

文字の世界史

Writing Systems: A Linguistic Introduction

Writing Systems: A Linguistic Introduction

A Study of Writing (Phoenix Books)

A Study of Writing (Phoenix Books)

Writing and Script: A Very Short Introduction

Writing and Script: A Very Short Introduction

アルファベットの事典

アルファベットの事典

英語アルファベット発達史―文字と音価 (開文社叢書 2)

英語アルファベット発達史―文字と音価 (開文社叢書 2)

カリグラフィー・レターカッティング

The Art Of Calligraphy

The Art Of Calligraphy

A Book of Formal Scripts (Calligraphy)

A Book of Formal Scripts (Calligraphy)

The Art of Letter Carving in Stone

The Art of Letter Carving in Stone

書字法・装飾法・文字造形

書字法・装飾法・文字造形

欧文活字書体

Letters of Credit: A View of Type Design

Letters of Credit: A View of Type Design

Letter Fountain: On Printing Types

Letter Fountain: On Printing Types

Designing Type

Designing Type

Lettering: A Reference Manual of Techniques

Lettering: A Reference Manual of Techniques

Typography Sketchbooks. by Steven Heller, Lita Talarico

Typography Sketchbooks. by Steven Heller, Lita Talarico

参考サイト

*1:その内の西方ギリシア文字(Western Greek alphabet、またはエウボイア文字(Euboean alphabet)、クマエ文字(Cumaean alphabet)などと呼称)

今日の文字

さて、久方ぶりの更新&文字書き。

「筆仕い肝要たる事」3回目

7月に書いたもの

真ん中がMitchelの2 1/2


8月に書いたもの


今回

前回から今回にかけての変更点は、「elephant's trunk」(象の鼻)と呼ばれる、fkの最頂部に付く筆画の書きぶりと、tの下部の払い。

「筆仕い肝要たる事」本文抜粋

5月に書いたもの


8月に書いたもの


今回

基本的には8月と余り変わりはないが、「elephant's trunk」の書き方や、dtの書き方を変更している。
今回は、「紙上駆ける 筆の流れに身をまかせ 我ただ跡を追うのみ」の信条で書いてみたが、序盤はペンの動くまま筆勢を感じながら書いていたが、中盤から余計な力が入り始め、文字の姿を整えようとする邪魔が入る。取り敢えず書き終えたものの、気持ち良くない。素直に書けない。勢いで書けない。纏めようとする。肩凝った。

【欧文書体名の読み方】その1―Arial

何故か、周期的に話題になる【欧文書体名の読み方】、ソロソロ本格的に気になり出したので、他にやること沢山あるのにまた連載的に始めてしまおうと思う。他のエントリの如く気まぐれ更新なので悪しからず。


読み方を調べる方法は、通常googleなどで「書体名 読み方」と検索すると思う。そうすると読み方を調べているサイトは少なくない。が、欧米の人は実際どう発音しているのかが気になってくる。で、検索語を「書体名 pronouciation」とすると、向こうの人も読み方を気にしているようでしっかりと音声付き・発音記号付きのサイトがヒットする。というわけで、こんな感じで調べたことをまとめていこうと思う。


では栄えある第1回目は、中でも多くの読み方を持つArialをいっちゃおう。

  1. 発音は英語ネイティブで/'eiriəl/(片仮名表記:エイリアル、エィリアル
  2. 発音は英語ネイティブで/'eəriəl/(片仮名表記:エアリアルエリアル
  3. 発音は英語ネイティブで/eraiəl/(片仮名表記:エライアル
    • Arial - Meaning of the boy name Arial at Baby Names Pedia 発音は/EHRAYahL/と表記され、註で「approx English pronunciation for Arial: EH as in "ebb (EH.B)" ; R as in "race (R.EY.S)" ; AY as in "side (S.AY.D)" ; AH as in "mud (M.AH.D)" ; L as in "lay (L.EY)"」と解説されているので発音記号に直すと/eraiəl/(片仮名表記:エライアル)。
  4. 発音は/ɑriːəl/(片仮名表記:アリアル
    • Arial - Meaning of the boy name Arial at Baby Names Pedia 表記が変更されたようで、発音は/aaRRIY-aeL/と表記され、註で「English pronunciation for Arial: AA as in "odd (AA.D)" ; R as in "race (R.EY.S)" ; IY as in "eat (IY.T)" ; AE as in "at (AE.T)" ; L as in "lay (L.EY)"」と解説されているので発音記号に直すと/ɑriːəl/(片仮名表記:アリアル)。※これは基本的に非英語圏の読み方。


英語では上記3つが主に使われているようだが、他にもあるようで、これという発音は定まっていないようだまた、英語以外の言語についても調べてみたが、今のところこれといったサイトは見つけられなかった。


因みに日本語では、


2012.8.14追記:
書体名Arialは上記1のエイリアル、エィリアルが正解とのこと。2、4も許容範囲内(4は非英語圏の読み)。(参照:https://twitter.com/Tosche_J/status/235389097466818560
これにて一件落着。