不親切な用語解説--「font」その3

id:satoschi:20060508からの続き。
引き続き、書籍からの抜粋。

  • タイプフェイスを具体的に表示、印刷するためにシステム化した文字セット。

Macで文字デザイン―コンピュータ時代の文字づくり』 成澤正信 著 グラフィック社 P.016

  • 統一的なデザイン*1で共通化された文字セット*2
    • 備考:コンピュータ、とくにMacintoshでいう「フォント」は、印刷業界でいう書体とほぼ同じと考えてよい。(P.12)
      • 追補:印刷業界で書体というと、同じ明朝体にもさまざまな種類があり、その1つ1つを書体と呼んでいるのです。(中略)大まかな様式だけではなく、線の太さや曲がり具合などの細かいニュアンスも含めた、文字のあらゆる要素を含めて書体と呼ぶようになったのです。(P.12)

フォントのことがわかる本―文字システムから出力・印刷までの実践知識』 近藤龍太郎 著 日本実業出版社 P.10


  • 追補:もう少し厳密にいえば、「書体」は主としてフォントのデザイン的な要素に対して使われ、「フォント」はその物理的なカタチ(デジタルデータといってもよい)に対して用いる。

フォントの常識事典―文字システムから出力・印刷まで』 近藤龍太郎 著 日本実業出版社 1999.9.30 初版発行 P.12

  • 書体。文字の集合体。
    • 備考:特にコンピュータで文字を扱うためのものを指す。

DTPフォント完全理解! (DTP world books)』 和田義浩、松田俊輔ほか 共著 ワークスコーポレーション P.10

  • 最も簡単に説明するならば「書体」という言葉が適等でしょう。
    • 備考:「明朝体」「ゴシック体」などと考えればわかりやすいはずです。「明朝体」「ゴシック体」はそれぞれ統一された独自の形状と規則性を持っています。

フォントグラファーズ (Book & CD‐ROM for Macintosh & Windows)』 ミヤヂマタカフミ他 著 翔泳社 P.224

DTP関連の書籍になると、ほぼ
「font」=「書体」
という認識であるようだ。
これについての吟味もまた興味が湧くが、いずれまた。(それから、「書体」「タイプフェイス」についても)


※2006.5.14追補:id:satoschi:20060514に、書籍からの抜粋の追加分を掲載。


次回『不親切な用語解説--「font」その4』は、規格がらみでの「font」について。

Macで文字デザイン―コンピュータ時代の文字づくり

Macで文字デザイン―コンピュータ時代の文字づくり

DTPフォント完全理解! (DTP world books)

DTPフォント完全理解! (DTP world books)

フォントグラファーズ (Book & CD‐ROM for Macintosh & Windows)

フォントグラファーズ (Book & CD‐ROM for Macintosh & Windows)

*1:文字のパーツとして同じものは同じようにデザインされているということ。

*2:ひらがな、カタカナ、漢字、あるいはそのすべてといったある一定の範囲をカバーしているということ。