『生命とは何か』シュレーディンガー 著

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)で言及され批判的考察をされた、物理学から見た生物学についての概説書。
特に「負のエントロピー」の概念が重要だが、個人的にはいまいちピンときていない(勉強不足です)。


実は、この本の最大の読みどころは訳者あとがきの註なのだ。
この岩波文庫版は2008年発行で『生物と無生物のあいだ』の後に出ていて、『生物と無生物〜』がこの本を批判した当の箇所を引用してその批判自体が「負のエントロピー」の誤解を示している見事な標本として取り上げている。
生物と無生物のあいだ』読んだ人はこの本も読むべき。


この岩波文庫版の他に生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)もあるので注意。