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物語 ストラスブールの歴史 - 国家の辺境、ヨーロッパの中核 (中公新書)

物語 ストラスブールの歴史 - 国家の辺境、ヨーロッパの中核 (中公新書)

シュトラースブルク(Straßburg)からストラスブール(Strasbourg)への二転三転の変遷。
本来的には、自治権や各種特権を付与され、ほぼ独立国家然した地位を持ちつつ、ドイツとフランスの狭間を絶妙なスタンスで立ち回りながらも、良くも悪くもこの自治主義を貫かんとしたために、結果的には2国のはざまで翻弄されてしまった都市。
ドーテの『最後の授業』の善悪二項対立的視点では判り得ない、この都市のドイツとフランスに対する、複雑且つ奇妙な歴史的・政治的・経済的・言語的スタンスおよび愛憎半ばな感情が垣間見れる。