その1:字体・字形について


実は10年来、この「字体・字形・書体」という言葉を再定義することについて調べているが、中々捗らないでいる。それはまだまだ不勉強なところもあり、かつ色々と示唆に富むものに出会ったりして、その都度自分の考えを改めたりしているからなのだが。今は取り敢えず「字体」「字形」についてからアウトラインを書き起こしてみる。


「字体」「字形」は通常別の概念として扱われているが、これを『字型』と1つの新たな概念で纏めてみたらどうか、と現在のところ考えている。『字型』とは、ある字がその字であるための「型」であり、その「型」とはある決まり事であり、かつ範疇である。イメージとしては、ある字がその字であるための何らかの「領域」があり、他の字との境界は曖昧である。空間的であり確率論的である。むしろ量子力学的と言ったら良いか。


元々は、「字体」の定義として、

字体は文字の骨組みであるが,(以下略)
『常用漢字表』昭和56年内閣告示第一号 1981/10/01 「表の見方及び使い方 四」

または

字体については、常用漢字表に示されている「字体は文字の骨組みである」という考え方を踏襲する。文字の骨組みとは、ある文字をある文字たらしめている点画の抽象的な構成の在り方のことで、他の文字との弁別にかかわるものである。 字体は抽象的な概念であるから、これを可視的に示そうとすれば、一定のスタイルを持つ具体的な文字として出現させる必要がある。
『表外漢字字体表』国語審議会 文化庁 2000/12/08 答申 「一.前 文 3 字体・書体・字形にかかわる問題とその基本的な考え方(1)字体・書体・字形について」

があり、この「文字の骨組み」というのが共感できなかった、というのが始まりである。


説明不足なものやご批判を受けそうなものが多々ありますが、現状はご容赦ください。追々説明できる段階になった時点で補足していく予定ですので。