《各種辞書における定義》ー字体の諸定義についてーその1
これから何回かに分けて、「字体」の定義をみていく予定。
見通しを列記すると、
- 分野別でみた字体の定義
- 各種辞書における定義
- 学術的分野における定義
- 書道における定義
- 政策的分野における定義
- 国語行政における定義
- 工業規格における定義
- 印刷関連分野における定義
- webで見られる定義
- 「字体」という語の歴史的経緯
- 諸外国語(主に英語)における、「字体」に類する語について
…と続けていくつもりだが、途中変更の可能性もあることを予めご了承願いたい。
今回はまず、各種辞書における「字体」の定義をみていく。
各種辞書における定義
- 文字の形。
- 文字の書き方。活字などの書体。
- 文字の形。
- 書体。楷書・行書・草書などの総称。
- 文字の形。▷特に時代によって変化した形体などについていう。
- 古文・籀文・小篆・隷書・楷書・行書・草書などのこと。
- 書道で流派のちがいによる字の書き方。
類:書体。
『漢字源』【編者】藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光 学習研究社 1988年11月10日(初版発行)/2007年1月10日(改訂第四版初刷発行)
『漢字源』の引用の最後にある「類:書体。」の「類」は、この辞書では「同義の漢字・熟語」を意味する。
- 字のかきかた。楷・行・草などの稱。 韓愈「字體不レ類隷與科。」
- 字畫の意。
『大字典』【編纂者】上田万年、岡田正之、飯島忠夫、栄田猛猪、飯田伝一 講談社 大正6年(初版発行)/昭和40年9月15日(普及版:第1刷発行)/昭和57年10月10日(第21刷発行)
以上を踏まえると、「字体」「字形」「書体」の関係は
- 「字体」≒「字形」
- 「字体」≒「書体」
であるということになる。